学習障害で注意しておくべき点は、学習障害の子供たちは一般的な生徒と比べて、小学校入学時点での知的発達にほとんど差がないことです。文字が書けない、言葉を文章として理解できないことなどがネックとなり、次第に勉強の習熟度に差が生じてしまうことで学習障害を生じてしまいます。逆説的に考えると、学習方法を工夫することで、勉強の遅れをある程度防ぐことができるということです。

具体的には、読字障害のある子供には、文章がどこでひと区切りなのかが分かりやすいように、文節ごとに句読点やスラッシュを入れたり、改行することで文字を文章として捉えられるようにサポートします。また、読ませるのではなく、聞かせることも効果的です。
次に、書字障害の子供には、大きなマス目のノートを使い、字を大きく書かせることで文字のバランスを掴ませたり、へん、つくりの意味を教え、漢字の成り立ちを理解させることが有効です。
算数障害の子供には、2桁以上の数字で桁毎に色を変えたり、計算問題の際に桁を罫線で区切ってあげると計算がしやすくなります。

このように、教科書やテストの出題に少し工夫をすることで、学習障害を持った子供の勉強をサポートすることができます。ただし、教科書やテストに手を加えることになるので、学校の先生と事前に協議し、理解と協力を得ることが大切です。また、人と違った教材を使うことは、いじめを受けるリスクも高まるので、その点も親と教師、看護する者との協力体制が重要となるでしょう。